そいつは何だ?
と周囲の人間に訊かれたとき、サムはディーンのことを「運転手」と言ったり「助手」と言ったりした。そのどちらも間違いではないが、「護衛」が一番近いのではないかとディーン自身は思っている。
最初の出会いが、バーで絡まれているサムを助けたときだったからだ。
二回目に会ったのは図書館で調べものをしていた時で、その後一緒に飲んで気が合ってサムの部屋で寝て、なんとなくそのまま居着いてしまっている。
「俺が言うのもなんだけど、ちょっとあんた警戒心が足りないんじゃないか?」
ディーンがそう言うと、サムは目を丸くしたあとちょっと笑って、
「それはこっちが思ってることだよ」
と返してきた。